2015年2月20日金曜日

大学進学の価値

大学進学はその価値があるのか。

アメリカの議論

アメリカでは、私学が年間500-700万円程度授業料だけでかかるようになってきたのもあり、こういった話題が良く取り上げられます。公立校も、リーマンショック以降授業料値上げが顕著で、200万程度にいたる勢い(ただし、日本から応募すると、域外生徒ということで私学並みにとられる)と高くなっています。

アメリカの基本的な考え方は、かかる費用を計算するというよりは、とれるだけとる。どれだけ取れるかを議論する感じです。たとえば、私学の費用を決める場合は、平均収入の追跡をして、高卒と大卒、大卒と院卒の平均給与の差から、学費を正当化しようとしたりします。その結果最近の社会人であるミレニアム世代は、学生ローンに苦しむことになります。

公立校については、リーマンショック(こちらでは金融危機というようですが)後に、税金の使い方を見直す議論が増えたのが大きいです。通っている学生にだけメリットがある税金の大学への投入を減らし、もっと全体がメリットを受けられるものに支出していこうというものです。大学としては、支出が減らせるというものでもないので、授業料を値上げしたい。一方で、学生ローンには、どんどんお金を投入すべしという国策もあり、どんな生徒でもじゃんじゃか貸してもらえる。とすると、学生ローンが借りられる限度まで、授業料を高めてしまえ、ということになるそうです。したがって、税金が減った分、金融機関が自由に学生ローンを貸し出す分、すべてが、ミレニアム世代の学生の借金になっている、それは、大問題だという議論があります。

また、授業料が高いほうが学生が真剣になってよいという話もあります。たしかに、宿題などは多いですが、就職に必要な成績をとったあとは、特にネイティブは、そこまで勉強しているかなぁというきもします。

日本の議論

近時、日本の給与の高卒・大学・院卒の水準が公表されました(平成26年賃金構造基本統計調査)。プレスでは、男女間の給与格差に商店が当たっていましたが、大卒価値の議論にも使えそうな資料です。

 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2014/dl/03.pdf

日本の大学の授業料はアメリカに比べかなり安いですから、平均像で見る限り、大学へ行く価値はありそうです。ただ、自分で事業を行うなど、いわゆる平均像から遠いキャリアを歩みたい場合は、時間の無駄ではないか、などの議論も ありえるところです。

日本の大学としては、大陸欧州スタイルで、誰にでも開かれた低額の大学(ただし卒業はむつかしい)を目指すか、授業料を高くしていく英米系を目指すか、正念場だと思います。少子化、政府の言う国際大学ランキングの上昇など、いろんな利害関係も絡むでしょうし。

多難ではあるでしょうが、ぜひ、国際的に評価される学校が増えて、かつ、国民に開かれた最高学府となっていってほしいものです。私個人的にも子供の学費はどうしても気になるところですので。

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